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小泉清子

清子の思ひで

第五話 馬とび

馬とび海で真っ黒に灼け、首筋に海水帽のヒモのあとがくっきり抜けていることが、夏休みを終えて登校するときの、小学生のカッコよさのシンボルだった。

校庭で遊ぶときの激しさは、現代の子たちより活発というよりむしろ荒っぽかった。学習塾だの、ピアノ、お絵描きといった習い事は皆無だった。子どもたちは、思いきり体でぶつかり遊びに興じた。行き過ぎの面も間々生じる。

当時校庭でさかんに「馬とび」が流行していた。前こごみに首をさげた「馬」が五人ぐらいつらなる。その上に、ハズミをつけて思いっきりかけ出した子がとび乗るのである。何人乗ったか、多いほど勝ちなのだ。お転婆な私は、一番乗りを志願し、次々に私の背の上にかぶさっていった。いままでになく多く乗れて、これは勝ちだ、と思った瞬間、馬がくずれて来て、ドドドドッと地べたにつぶされていった。ア、アと思う間もなく、一番乗りの私が一番下になって、どうしたはずみか、足を骨折してしまい、全く歩けない状態となった。休んだことのない私も、二か月登校できない羽目になった。

その間、毎日のように小さな仲間が見舞いに来てくれた。少しでも早く癒そうと、父母もあせって、アチコチ骨つぎの門を叩く。最後にたどりついたのは、根岸の電車通りの交差点から二軒目、白く塗られた小さな病院風の治療院で、いままでと全くちがった治療によってメキメキ全快していった。その嬉しさは忘れられない。

当時のことで思い出すのは、治療院にいくとき、必ず根岸の支店の前を通る。私は誰もみていないときを見計らい、支店に向かって最敬礼をした。小学生なりに感謝の意を表したかったのだが、このことは家に帰っても、なぜか恥ずかしくて口には出せなかった。

  • 第一話 昭和二十二年九月二十八日、大安の日、「鈴乃屋」は誕生した。
  • 第二話 紅絹に感ずる女の業
  • 第三話 震災のあとの七五三
  • 第四話 小学生の頃
  • 第五話 馬とび
  • 第六話 麦ご飯のお弁当
  • 第七話 母
  • 第八話 二足のわらじ
  • 第九話 女史になれ
  • 第十話 コンデェイションとコンディション
  • 第十一話 不合格

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