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小泉清子

清子の思ひで

第十話 コンデェイションとコンディション

翌朝、全生徒を校庭に集め、校長よりわが校創立以来の名誉と、強い感激の言葉があった。たしかに市川源三校長は、つね日頃から第一高女を誇り高い学校にすることに打ちこんでおられた。第一の市川か、市川の第一かといわれたが、事実、時代にさきがけて新しい教育方針に取り組み、その指標とするところは「女性文化主義」であった。高学年になると、「修身」は自ら教鞭をとられる。「男も女も能力に差は絶対にない。環境の違いと、努力勉強の違いだけである」、この言葉は私の脳裏に深く刻みこまれた。

卒業して数十年、結婚生活四年間を別にして職業戦線上に立っている私にとって、男女能力格差なし、の強い指摘は珠石のように私の心の支えとなった。

当時の女学校教育が絶対というほど女性淑徳主義、良妻賢母主義であったのに、第一高女は「女性文化主義」であり、すべての面に市川校長の主義主張は発揮された。

第五は修学旅行。横浜埠頭から神戸港までの船旅は、第一次大戦でドイツから買ったという大洋丸、外国航路の一等船客となった。外国の文化、外交、マナー、進歩しているヨーロッパ文化を少しでも肌で吸収するための配慮であった。インターナショナルな時代を、とうに先見しておられたのだ。市川源三先生の教育を受けたわれわれは、本当に幸せだったと思える。

第六は、私の失敗である。五年間待ち続けやっと実現できた関西修学旅行の成果を学芸会で発表した時だった。全生徒の集まった大講堂で、五年生代表として選抜された私は、堂々と、しかも得意に壇上に立った。豪華な太平丸の内容、神戸、奈良、京都など名所旧跡を十五枚ほど、大きな模造紙に見事描いてくれたのは、同級生の椿さんだった。一枚ずつめくりながら、私は丁寧に説明していく。会場の興味津々の目が注目している。話がすすむほどに自信が沸いてきた私は得意絶頂となり、いよいよ終わり近くなった頃、「私たちは、こうして楽しい旅行をしてきました。長い日程でありましたが、みんな体調はすばらしいコンデェイションでした」・・・・・、大へんな拍手を受けて満面に笑みを浮かべながら壇を下りたまではよかったが、そこに待ち受けていたのは、怖い顔をした英語担当の先生だった。「“コンデェイション”とは何です!“コンディション”です」、私は横面をこっぴどく叩かれた思いがした。それ以来、英語に自信を失い、英語が全く嫌いになってしまった。

あの頃の日本は?

満州事変。上野公園に東京科学博物館(現在の国立科学博物館)が開館。羽田空港が東京飛行場の名前で開港。

  • 第一話 昭和二十二年九月二十八日、大安の日、「鈴乃屋」は誕生した。
  • 第二話 紅絹に感ずる女の業
  • 第三話 震災のあとの七五三
  • 第四話 小学生の頃
  • 第五話 馬とび
  • 第六話 麦ご飯のお弁当
  • 第七話 母
  • 第八話 二足のわらじ
  • 第九話 女史になれ
  • 第十話 コンデェイションとコンディション
  • 第十一話 不合格

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