2019.03.03

咲きほこる日本の花「桜」きもの展
3階きものギャラリーにて、スタートしました。

 

 

皆様は、「桜」というと何をイメージしますか。お花見・春・入学などの人生の出発点・桜とお城・桜並木、それとも桜餅でしょうか。花といえば桜というように、日本人はとりわけ桜の花を愛でてきました。
平安時代の随筆、清少納言の『枕草子』に「絵にかきおとりする物 なでしこ。菖蒲。桜。・・・」(第百十二段)とあり、絵に描くと本物より劣って見えるものとして、桜をあげています。いつの時代も桜のイメージは美しく、それを絵や模様にすることはなかなか難しいことで、桜の模様が染織品を飾るようになるのは、技法的な制約もあるが意外にも近世になってからのことです。

 

奈良時代の模様は唐風模倣の時代であり、正倉院の宝物にみられるように植物の模様は、唐草や唐花など想像上の植物を意匠化したものが多く残っています。平安時代の染織は、十二単に代表されるように重ね着形式であったため、織物が中心で桜の美しさを微妙な配色の取り合わせにより表現しました。桜を詳細に観察して、「葉桜・薄花桜」のように、桜の花や葉の彩りを衣の表地と裏地の配色にうつしました。

 

そして、近世になると衣料は小袖のように一枚着となり、染色により模様を表現するため、さまざまな加飾技法が生み出されました。桜に限らず、植物や動物・器物など模様のモチーフは無限に広がり、小袖模様が百花繚乱のごとく展開していきます。

 

 

 

咲きほこる日本の花「桜」きもの展
[会期] 平成31年3月2日(土)~3月31日(日)

 

[開場時間] 10時~18時
[入 場 料] 一般 500円/学生 300円/中学生以下無料
[休 館 日] 水曜日(祝日の場合は開館)