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貝紫

11月の展覧会
貝紫を染める
会期-11月2日(土)〜11月17日(日)
11:00−17:00 火曜休館
入場料−一般300円 学生200円

 

貝紫というのは、アクキガイ科のパープル腺にある分泌液を取り出し、染色して得られる色のことで、使用できる貝は、世界中に300種類以上いるといわれています。
その染色法については、紀元前、地中海沿岸の海洋民族、フェニキア人が発見したといわれ、その後ローマ帝国にもたらされるようになると、貝紫は美しさと原料の貴重さから帝王や貴族の権威の象徴とされてきました。
日本でも貝紫と考えられる絹織物の切れ端が、弥生時代の吉野ヶ里遺跡から発見されて大きな話題になったのは記憶に新しいところです。しかも、織物と一緒にアカニシ貝も大量に発掘されていることから、当時有明海一帯ではかなり大掛かりに貝紫による染色を行っていたのではないかと推測されています。
その後日本では、聖徳太子による冠位十二階の制度が取り入れられ、紫が最高位を表す色となり、それをムラサキ科の多年草・紫草で染めると規定されました。こうした経緯もあって紫を染めるのは、紫草による染色が主流となり、貝紫による染めは、三重県志摩の海女や長崎県五島の海女が使用するわずかな衣類にのみ使用されるにとどまりました。
ところが近年貝紫による独特な色合いが注目されるようになり、いろいろな人が取り組むようになっています。その染色法は、染める人の考え方や研究方向の違いなどから、幅広いバリエーションを生み出していますが、貝紫という独特な色への魅力に尽きないものがあるからだとおもわれます。
本展では貝紫染に取り組むなるべく多くの人の作品を展示し、その魅力を紹介したいと考えています。

 

 

出品作家:

伊藤裕子(組紐)、稲岡良彦(組紐・貝紫染)、上田文子(手紡ぎショール)、栗田敬子(日本刺繍)、高尾 弘(西陣織)、寺田貴子(貝紫研究・染織)、松浦淑子(オリエント刺繍)、峯 史仁(組紐)、村上光男(友禅)、山村多栄子(染織)

 

イベント

11月3日(日)午後1時〜
講師:稲岡良彦(紫工房)
内容:発酵建と生貝による実演 (天候により出来ない場合もあります)
染の講習 ハンカチに貝紫を染める (30名になり次第締切、材料費1,000円)


11月9日(土)午後1時〜
講師:寺田貴子(長崎玉木短大助教授)
内容:貝紫染実演
スライドとビデオによるお話。(無料)

 
稲岡さんによる貝紫染の実演 展覧会会場風景 手前は村上さんの手描友禅
 
 


{KIMONO}

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